2021年のWebパフォーマンスの振り返り
主なポイント
- 2021年はBGP、CDN、クラウドコンピューティングのプラットフォーム、金融システム、携帯網、決済サービス、DNSなどのシステム障害が多発し、米国のWebパフォーマンス関連業界では、障害を即座に検知して対処することに軸足が移りました。
- 日本の企業のIT部門では各キャリア、各ISP、各地方都市での可用性監視が殆ど普及しておらず、企業が知り得るのはサーバに残されたログだけのため、サードパーティーのサービスを含めて自社のWebサイトやサービスがどの程度エラーになっているかを把握できていません。
- こうした状況の中で、2021年はAPMの普及が大きく躍進し、APM各社は「オブザーバビリティ」という用語を掲げてマーケティングと普及活動を進めています。
システム障害の1年
2021年を振り返ると、日本も世界も、システム障害が多発した1年でした。
具体的な障害については、以下のサイトをご覧下さい。
ネットワークがBGPの問題で落ち、CDNが落ち、Webサイトが落ち、クラウドコンピューティングのプラットフォームが落ち、金融システムが落ち、携帯網が落ち、決済サービスが落ち、DNSが落ち…
(皆さんの記憶を喚起するのにまだ必要ですか?この程度にしておきましょう)
パフォーマンスから監視へのシフト
この1年で、米国でのWebパフォーマンス関連業界は一挙に様変わりしました。
パフォーマンスは高速なのが当たり前で、多発傾向にあるシステム障害を如何に即座に検知して対処するか?に軸足が移っています。
この点において、日本は周回遅れどころか、3周ぐらい遅れているのではないでしょうか?
日本では、企業のIT部門に、各キャリア、各ISP、各地方都市での可用性監視が殆ど普及していないため、Twitterに繋がらない報告をしてくれるユーザが監視の役割を果たしてくれているという状況です。
みずほ銀行頭取の「ATM障害をネットニュースで知った」という発言は、多くの人々に衝撃を与えましたが、IT業界では、実質的に、それが当たり前になっていないでしょうか?
大規模に展開されているサービスであれば、Twitterを監視していれば、地方での障害を知り得るかもしれません。
しかし、殆どの企業は、自社のWebサイトやサービスが、含まれているサードパーティーのサービスを含めて、どの程度エラーになっているかを知りません。
企業が知り得るのは、サーバに残されたログだけであり、サードパーティーのサービスのログは利用している企業は入手できません。
APMの普及とオブザーバビリティ
このような状況で、今年は、APMの普及が大きく躍進しました。
そして、APM各社は「オブザーバビリティ」という用語を引っ提げて、マーケティングと普及活動を進めています。